多くの方が経験する肩凝り。仕事も家事もしているから、まぁ仕方ないか…今は辛いけどそのうち落ち着くだろう…などと判断して放置しがちですよね。
私はセラピストですが、しばらくバタバタしていて自己メンテナンスを怠っていた結果、入浴時に背中を洗うのに肩の痛みを感じるようになってしまいました。もともと肩部はガチガチに硬く、肩甲骨はなるべく動かしてほぐすようにしているのですが、それでもやっぱり万年肩凝りさんです。
これが四十肩か…いや、五十肩?
四十肩と五十肩って同じ?
40代と50代で呼び方が違う、という説もありますが、実際はちょっと違うようです。
四十肩(Frozen shoulder)と五十肩(Rotator cuff tendinitis)は、肩の問題であることは共通していますが、状態は異なり、以下のような違いがあります。
四十肩(Frozen shoulder)
原因: 主に肩の関節包(肩の関節を覆う組織)の炎症や収縮に関連しており、特定の病気や怪我によるものではないことが多い。
症状: 主な症状は肩の運動範囲の制限、強い肩の痛み、肩の硬直感があり、通常、徐々に進行する。
年齢: 四十肩は年齢に関係なく発生することがある。
五十肩(Rotator cuff tendinitis)
原因: 肩のローテータカフ腱(四つの腱で構成されるグループ)に炎症や損傷が生じ、通常、肩の過度な使用や怪我に関連している。
症状: 主な症状は肩の痛み、特に肩を動かす際に痛みを感じることが多い。夜間の痛みもあり、肩の機能に制限をもたらすことがある。
年齢: 五十肩は通常、中高年の人々に多く見られる。

要するに、四十肩は肩の関節包に関連した肩の硬直感と制限された運動範囲が特徴で、五十肩はローテータカフ腱に関連した痛みや運動制限が主な症状です。どちらも適切な医療評価と治療が必要であり、症状や原因に応じて異なるアプローチが取られます。
四十肩・五十肩を予防する
四十肩や五十肩の予防として、日常で意識できることがあるので、やって損はないです。

- 適切な姿勢を保つ:長時間の不適切な姿勢を避け、デスクワークやコンピュータ作業時には良い姿勢を保つよう心がけましょう。
- 適度な運動:肩の筋肉を強化するために、定期的な軽い運動やストレッチを行いましょう。特に肩甲骨の周りの筋肉を意識して鍛えることが重要です。
- 過度な負荷を避ける:肩に過度の負担をかけないようにし、重い物を運ぶ際は注意を払いましょう。
四十肩・五十肩になってしまったら
四十肩や五十肩になってしまった場合、マッサージやストレッチは助けになることがありますが、直接の治療にはならないので注意が必要だということは念頭に置くようにしてください。
効果的なストレッチと軽い運動の例もあげておきます。
- 肩のストレッチ:肩をゆっくり前後左右に回すことで、筋肉の緊張をほぐすことができます。
- 肩甲骨のストレッチ:肩甲骨をゆっくり前後に動かすことで、肩の筋肉を緩めます。
- ローラーマッサージ:柔らかいフォームのローラーを使って肩の周りをマッサージすることで、筋肉の緊張を和らげることができます。
- 週に数回の軽いストレッチと運動を継続的に行い、症状が改善しない場合は専門家の意見を仰ぐことをおすすめします。
- 休息と炎症の管理:四十肩や五十肩の症状が悪化しないよう、氷や温湿布を利用するなどして炎症を抑え、適切な休息をとりましょう。
- ポストラルコレクション(姿勢矯正):姿勢が問題の一因となることがあるため、ポストラルコレクションと呼ばれる姿勢矯正プログラムを検討することも有益です。
- 適切な枕と寝具:質の良い枕と寝具を選び、寝る際に肩に余分な圧力がかからないように気をつけましょう。
- ストレス管理:ストレスは筋肉の緊張を増加させることがあります。リラクゼーション法やストレス軽減の方法を実践し、肩の緊張を和らげる助けになります。
最も重要なのは、症状が悪化する前に予防策を実施し、早期に適切なケアを受けることです。また、専門家の助言を仰ぐことが大切で、痛みや不快感が持続する場合は適切な治療を受けることが肩の健康を保つために重要です。
手や腕の筋肉をほぐすのもオススメ
肩の痛みがあるからといって、直接肩の筋肉を強くほぐすことは避けましょう。四十肩や五十肩は肩の周りの筋肉や組織に影響を及ぼす炎症や緊張から生じることが多いため、手や腕の筋肉をほぐすことで、肩まわりの症状を軽減できる可能性があります。

以下は手や腕の筋肉をほぐすための簡単な方法です。
- 手首と指のストレッチ:手首をゆっくり回し、指を広げたり曲げたりすることで手の筋肉を緩めます。
- 前腕のストレッチ:手のひらを上向きにし、手首を引き伸ばす動きを行い、前腕の筋肉を伸ばします。
- 腕のストレッチ:腕を前後に伸ばし、肩から手首までの筋肉を伸ばします。
これらのストレッチとマッサージ(うちのサロンではハンドリフレクソロジー)を定期的に行うことで、肩の周りの緊張を減少させ、痛みや違和感を軽減できるかもしれません。
ただし、症状が悪化する場合や持続する場合は、医師や理学療法士に相談し、専門的なアドバイスを受けることをおすすめします。
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